私は技術者として働いているため、社会人になってからも勉強自体は続けてきました。
仕事では新しい技術や知識が次々に必要になります。学生時代に学んだ内容だけで、何年も仕事を続けられるわけではありません。
必要に応じて専門書を読み、理系科目を学び直し、分からないことがあれば調べる。
そうした学習は、社会人になってからも日常の一部でした。
ただ振り返ってみると、私が勉強していたのは、ほとんどが仕事に直接関係する分野でした。
業務で必要だから学ぶ。
技術者として成長するために学ぶ。
仕事で成果を出すために学ぶ。
勉強する習慣はあったものの、自分の生活や将来のために学ぶという感覚は、あまり持っていなかったように思います。
仕事には詳しくても、生活のことは知らなかった
技術分野については、必要に迫られれば自分で調べます。
一方で、税金や社会保険、年金、資産運用といった生活に関わる知識については、ほとんど手をつけていませんでした。
給与から税金や社会保険料が引かれていても、その仕組みを深く考えることはありません。
年金についても、将来受け取れるらしいという程度。
資産運用についても、何となく必要そうだと思いながら、体系的に学んだ経験はありませんでした。
仕事の専門知識には時間を使うのに、自分の生活を支える制度については、よく分からないまま過ごしていたのです。
30代半ばになった頃、少しずつ、その状態が気になるようになりました。
仕事だけではなく、プライベートでも役に立つことを学んでみたい。
せっかく勉強するなら、今後の生活やお金の判断に使える知識がいい。
そんなことを考えるようになりました。
きっかけは、たまたま見たYouTube動画だった
FPの勉強を始めたきっかけは、しっかり計画を立てて決めたものではありません。
たまたまYouTubeを見ていたときに、サバンナ八木さんがFPについて話している動画が目に入りました。
最初は何となく見始めただけだったと思います。
ただ内容を聞いているうちに、FPは単に資格を取るための勉強ではなく、日常生活とかなり近い分野を扱う資格なのだと知りました。
税金。
社会保険。
年金。
保険。
不動産。
資産運用。
どれも働いて生活していく以上、無関係ではいられないものばかりです。
資格を取ったからといって、すぐに収入が増えるわけではありません。
それでも、これから資産形成を考えたり、社会保険制度を理解したりするうえで、勉強しておいて損はないだろうと感じました。
知識を増やすためだけではなく、自分の判断を人任せにしないための勉強になりそうだと思ったのです。
実際に始めると、思っていたより楽しかった
FPの学習を始める前は、税金や保険の勉強は、もう少し堅苦しいものだと思っていました。
制度や数字をひたすら暗記するようなイメージもありました。
ところが、実際に勉強してみると、意外に楽しかったのです。
自分の給与や社会保険に関係する話が出てくれば、実生活と結びつけて考えられます。
資産運用の分野では、これまで断片的に知っていた言葉が、少しずつ体系的につながっていきます。
不動産や相続の分野も、今すぐ必要ではなくても、いずれ直面する可能性があります。
仕事の専門知識とは違い、学んだ内容がそのまま自分の生活へ戻ってくる感覚がありました。
問題演習にもかなり取り組みました。
最初は分からなかった問題が、繰り返し解くことで正解できるようになる。
知識が増えるにつれて、ニュースや日常生活の中で見かける制度の意味も少しずつ分かるようになる。
この感覚が面白く、思っていた以上に学習を続けられました。
休日の過ごし方も少し変わった
それまでの休日は、特に予定がなければ、何となく動画を見て過ごすことも少なくありませんでした。
もちろん何も考えずに休む時間も必要です。
ただ休日が終わったあとに、
「今日も何となく一日が終わったな」
と感じることもありました。
FPの勉強を始めてからは、土日に少しでも問題を解いたり、講義を見たりすると、時間を有意義に使えた感覚が残るようになりました。
何時間も机に向かう必要はありません。
午前中に少し勉強する。
動画を見る前に問題を数問解く。
外出前に一つのテーマだけ確認する。
それだけでも、休日の満足感が少し変わりました。
ただダラダラ過ごす時間がすべて悪いわけではありません。
しかし、自分の将来に役立つことへ時間を使うと、同じ休日でも手応えが違います。
この感覚は、FPに合格したこと以上に、大きな変化だったかもしれません。
大人の勉強は、仕事のためだけではない
社会人の学び直しというと、転職や昇進、収入アップのための勉強を想像しやすいと思います。
もちろん、それも大切です。
私自身も、仕事で必要な専門知識については、社会人になってからも学び続けてきました。
ただ、大人になってからの勉強には、仕事以外の意味もあります。
自分の生活を守るため。
お金に関する判断力を身につけるため。
将来の選択肢を増やすため。
休日を少し充実させるため。
知らない分野に触れ、自分の視野を広げるため。
FPの学習を通じて、仕事と直接関係しない勉強にも、十分な価値があると感じました。
むしろ、仕事とは違う分野だからこそ、新鮮に感じられた部分もあります。
FPをきっかけに、学びを続けようと思った
FPの勉強を始めたことで、私は「大人になってからでも、新しい分野を学ぶのは楽しい」と改めて感じました。
学生時代の勉強は、試験や単位のためという側面が強かったと思います。
社会人になってからの勉強は、自分で学ぶ内容を選べます。
今の自分に必要なこと。
興味を持ったこと。
将来役立ちそうなこと。
それらを自分のペースで学べるのは、大人の学び直しのよいところです。
私にとってFPは、その入口になりました。
そこから簿記を学び、現在は宅建や不動産分野にも関心を広げています。
最初から明確な資格計画があったわけではありません。
たまたま見た一本の動画から始まり、興味を持った分野を一つずつ学んできました。
今後も、FPに限らず、自分の仕事や生活に役立つことを少しずつ学び続けたいと思っています。
学び直しは、生活を少し前向きにする
資格を取ったからといって、人生が急に変わるわけではありません。FPの知識を得たからといって、お金の悩みがすべて解決するわけでもありません。
それでも、知らなかったことを知り、自分で判断できる範囲が増えていく。
休日に少し勉強し、昨日より一つ理解できることが増える。
その積み重ねは、生活を少し前向きにしてくれます。
私にとって大人の学び直しとは、何か大きな成功を目指すためだけのものではありません。
仕事以外の世界にも目を向け、自分の生活や将来を少しずつ整えていくための時間です。
30代半ばで始めたFPの勉強は、私にそのことを教えてくれました。


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