経理じゃない人間が簿記2級を取ったら?

簿記

2026年6月、日商簿記2級に合格しました。
私は経理職ではなく、製造業で働く技術職です。

そのため、合格後に何人かの同僚から、
「経理じゃないのに、簿記2級を勉強したの?」
と聞かれました。

自分では必要性を感じて学んだ資格でしたが、周囲から見ると、技術職の人間が簿記2級を取得するのは少し意外だったようです。

今回は、経理ではない私が簿記2級を取得したあと、職場でどのような反応があったのかを書いてみます。

会社の資格取得支援制度を利用した

私の勤める会社では、社員の自己啓発や能力向上を後押しするため、いくつかの資格取得が奨励されています。

日商簿記も、その対象資格の一つでした。

対象資格に合格して会社へ申請すると、受験料や参考書代などを精算できるほか、資格に応じた報奨金も受け取れます。

せっかく会社に制度があるのですから、使わない手はありません。
簿記2級に合格したあと、私も必要書類をそろえて申請しました。

資格試験は、受験料だけでなく、参考書や問題集、通信講座などにもお金がかかります。会社が費用の一部を負担してくれるのは、ありがたい制度です。

さらに報奨金まで受け取れるため、合格した実感も少し強くなりました。

もっとも、申請が認められるまでは、
「対象条件をきちんと満たしているだろうか」
「提出書類に不足はないだろうか」
と、多少気になったのを覚えています。

ほどなくして申請は無事に承認されました。

合格が全社メールで紹介された

申請が通ったあと、資格を取得したことが全社向けのメールで紹介されました。
会社の制度として、対象資格を取得した社員が発表される仕組みになっていたのです。

自分の名前と取得資格が社内へ広く共有されるのは、少し気恥ずかしいものがありました。
簿記2級に合格したことはうれしい。

一方で、わざわざ全社的に発表されると、少し照れくさくもあります。
とはいえ、自分から周囲に資格取得を言って回る必要はありません。社内制度を通じて自然に知ってもらえたのは、結果的によかったと思っています。

そして、このメールを見た何人かの人から、声をかけられるようになりました。

「経理じゃないのに簿記を取ったの?」と言われた

周囲から特によく言われたのが、
「経理じゃないのに、簿記2級を勉強したの?」
という言葉です。

私は普段、製造業の技術職として働いています。
周囲から見れば、技術職が学ぶものといえば、担当分野の専門知識、品質管理、統計、語学などを想像するのかもしれません。

その中で突然「簿記2級」と聞けば、少し意外に感じるのも無理はないでしょう。
私自身、30代半ばまでは技術の研鑽を中心にしてきました。

しかし、年次が上がるにつれ、技術だけではなく、原価や利益、投資、事業性といった視点から仕事を見る必要性を感じるようになりました。

優れた技術を作ることと、事業として利益を生み出すことは、必ずしも同じではありません。
技術職であっても、会社の数字を理解する力はあった方がよい。

そのように考え、簿記を学び始めました。
ただ、その背景を知らない同僚にとっては、やはり意外だったのでしょう。

簿記2級は「少し勉強した」だけでは取れないと思われていた

簿記2級は、行政書士や社会保険労務士のような難関国家資格と比べれば、難易度が特別に高い資格ではないかもしれません。

それでも、まったく準備をせずに受けて合格できる試験ではありません。
商業簿記では、仕訳や決算、連結会計などを学びます。

さらに2級では、製造業の原価計算を扱う工業簿記も加わります。
私自身も、最初は借方と貸方の考え方に苦戦しました。2級の学習へ進んでからは、連結会計にも随分と手こずっています。

ある程度の期間、継続して勉強しなければ合格には届きません。
周囲の人たちも、その点は何となく知っていたようです。

「簿記2級って、それなりに勉強しないと受からないよね」
「仕事をしながら取ったのはすごいね」
といった言葉をかけてもらいました。

自分では苦戦した記憶の方が強かったため、思っていた以上に周囲から評価されたことは、少し意外でした。

資格だけで仕事が急に変わるわけではない

もちろん、簿記2級を取得したからといって、翌日から仕事が大きく変わるわけではありません。

経理の実務を経験したわけでもなければ、決算書を自在に分析できるようになったわけでもありません。
簿記2級に合格したことと、会計を実務で使いこなせることの間には、まだ距離があります。

それでも、資格取得を通じて、
「この人は専門外の分野にも関心を持っている」
「技術だけでなく、会社の数字も学ぼうとしている」
と見てもらえるようになったのは確かです。

資格そのものよりも、仕事をしながら専門外の勉強を続け、試験に合格した姿勢が評価されたのかもしれません。

経理以外だからこそ、少し目立つ

経理部門の人が簿記2級を持っていても、周囲はそれほど驚かないでしょう。
仕事との関係が分かりやすいためです。

一方、技術職や営業職など、経理以外の人が簿記2級を取得すると、
「なぜ簿記を勉強したのだろう」
と興味を持ってもらえることがあります。

もちろん、目立つために資格を取ったわけではありません。
ただ、普段の業務とは少し離れた資格だからこそ、自分の関心や今後の方向性を周囲へ伝えるきっかけになりました。

私の場合は、技術だけでなく、原価や利益、投資判断などにも関心があることを知ってもらえました。

直接的な異動や昇進につながったわけではありませんが、周囲からの見られ方が少し変わった瞬間だったと思います。

経理以外の人が簿記2級を取る意味

簿記2級は、経理職を目指す人だけの資格ではありません。

技術職であっても、営業職であっても、会社の中で働く以上、売上、費用、利益、資産、負債とは無関係ではいられません。

特に年次が上がると、自分の担当業務だけでなく、

  • この仕事にはどれくらいの費用がかかるのか
  • 投資した金額を回収できるのか
  • 売上が増えても利益が残らないのはなぜか
  • 会社はどこに資金を使っているのか

といった視点が必要になります。

簿記2級を取っただけで、これらすべてが分かるわけではありません。
それでも、数字を理解するための土台は作れます。

そして、経理以外の人が簿記を学んだという事実自体が、周囲に対して一つのメッセージになることもあります。

「自分の専門分野だけでなく、事業や経営にも関心を持っている」
その姿勢が伝わるだけでも、資格を取得した意味はあったのではないでしょうか。

周囲からの見る目が少し変わった

簿記2級へ合格し、会社の制度を利用して申請した。
その結果、全社メールで資格取得が紹介され、何人かの同僚から声をかけてもらいました。

経理ではない技術職が簿記を取ったことを、意外に感じた人もいたようです。

そして、簿記2級は一定の準備をしなければ取れない資格だという認識もあったため、思っていた以上に評価してもらえました。

資格を取っただけで、仕事上の能力が急に高くなるわけではありません。
それでも、専門外の分野へ挑戦したことや、仕事をしながら学習を続けたことは、周囲へ伝わります。
経理じゃない人間が簿記2級を取ったらどうなるのか。

私の場合は、会社の数字を学ぶきっかけになっただけでなく、周囲からの見る目が少し変わりました。それは、合格証書や報奨金とはまた違う、資格取得の小さな効果だったと思います。

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