昔の簿記2級には連結会計がなかったらしい|知らないまま勉強していてよかった

簿記

簿記2級を勉強していたとき、私が一番手こずったのは連結会計でした。
商業簿記も工業簿記も、それぞれ最初は難しかったのですが、連結会計は少し種類が違いました。

特に最初につまずいたのが、開始仕訳です。

前期までの連結修正仕訳を翌期にどう引き継ぐのか。
なぜもう一度仕訳を入れる必要があるのか。
親会社と子会社それぞれの数字を見ながら、連結上は何を消して、何を残すのか。

最初はかなり混乱しました。

それでも問題を繰り返していくうちに少しずつ慣れて、最終的には連結会計も得点源にできるようになりました。

だから当時の私は、
「簿記2級って、こういうことまでやる資格なんだな」
くらいに思っていました。

連結会計が2級にあることを、特に疑問にも思っていませんでした。

最近になって、昔の2級には連結会計がなかったと知った

ところが最近、Xで簿記についての投稿を見ていると、
「昔の簿記2級には連結会計がなかった」
という話を何度か目にしました。

気になって調べてみると、本当でした。

日本商工会議所によると、連結会計が簿記2級の試験範囲に追加されたのは2017年度からです。

実際の出題は、2017年11月に行われた第147回試験以降から始まりました。

つまり、それ以前に簿記2級を受験した人は、少なくとも現在の2級で学ぶような連結会計を試験対策として勉強する必要はなかったことになります。

これを知ったとき、
「え、連結会計って昔は2級じゃなかったのか」
と、少し驚きました。

私にとっては最初から2級の標準的な論点だったので、昔から当然のように出題されているものだと思っていました。

簿記2級は、昔とまったく同じ試験ではない

簿記2級は長い歴史のある資格です。

ただ、同じ「2級」という名前でも、試験範囲はずっと固定されているわけではありません。
日本商工会議所は、企業活動や会計実務の変化に合わせて出題区分を改定しています。

特に2016年度以降は、2級商業簿記を中心に、より実際の企業活動や会計実務に即した内容になるよう見直しが行われました。

連結会計が2級へ入ってきたのも、その流れの一つです。

なので、
「昔の簿記2級と今の簿記2級は、まったく同じ内容ではない」
ということになります。

単純に「今の方が必ず難しい」とまでは言い切れないと思います。

試験問題そのものの難易度は回によって違いますし、逆に削除された論点もあります。

それでも、少なくとも連結会計のような以前は2級になかった論点が追加され、学習範囲が変わってきたのは事実です。

連結会計に苦しんでいた頃、この事実を知らなくてよかった

ただ、この話を知って私が一番思ったのは、
「簿記2級って難しくなったんだな」
ということではありませんでした。

むしろ、
勉強していた当時に知らなくてよかった
と思いました。

連結会計を初めて勉強した頃は、本当に苦戦していました。

開始仕訳もよく分からない。
内部取引の消去も混乱する。
未実現利益が出てくると、さらに訳が分からなくなる。

その状態で、
「ちなみにこの論点、昔は2級にはなくて、より上位の学習で扱われていたんですよ」
なんて知っていたらどうなっていたか。

たぶん私は、
「やっぱり難しい論点なんだ」
と変に納得していたと思います。

場合によっては、
「自分にはまだ早いのでは?」
と考えていたかもしれません。

さらに悪い方向へ行けば、
「こんな難しいことまでやるなら、2級は無理かもしれない」
と受験そのものを諦める可能性も、ゼロではなかったと思います。

難しいと知らないから、普通に向き合えた

当時の私は、連結会計を、
「2級に出るなら、できるようになるしかない」
くらいに思っていました。

難しい論点だから特別扱いするのではなく、ほかの論点と同じように問題を繰り返しました。
最初は意味が分からなかった開始仕訳も、何度も解いているうちにパターンが見えてきました。
親会社と子会社の関係も、時系列で整理すると少しずつ分かるようになりました。

最終的には、
「連結会計は難しい」
という感覚より、
「こういう順番で処理すればいい」
という感覚の方が強くなりました。

今考えると、
難しい論点だという先入観を持たずに始められたことが、逆によかったのかもしれません。

資格勉強では「難しい」という情報が邪魔になることもある

資格を勉強していると、
「ここは難関論点です」
「受験生がよく落とします」
「この分野は捨ててもいいです」
という情報をよく見かけます。

もちろん、勉強時間を配分するうえでは大事な情報です。

ただ、自分の場合は、その情報を早く知りすぎると逆効果になることもある気がしています。

「難しい」と聞いた瞬間に、
「難しくて当然」
「できなくても仕方ない」
と、自分の中で逃げ道を作ってしまうからです。

連結会計については、それを知らずに勉強できました。

結果として、
「2級なんだから、みんなこれをやっているんだろう」
くらいの感覚で向き合えました。

これは今になって考えると、かなり幸運だったと思います。

今では、2級で連結会計をやっておいてよかったと思う

そして面白いことに、現在は考え方が逆になっています。

簿記2級に合格した当時は、
「連結会計、かなり大変だったな」
という印象でした。

でも今は、簿記1級も視野に入れています。

そうなると、2級の段階で連結会計に触れていたことが、かなりありがたく感じます。

親会社と子会社を合算する。
内部取引を消去する。
非支配株主持分を考える。
未実現利益を消去する。
開始仕訳を入れる。

こうした考え方を一度経験しているのと、1級で初めて見るのでは、かなり違うはずです。

もちろん1級では、2級よりさらに深い内容を扱うはずです。
(「はず」というのは、まだ1級の学習をしたことがないためです笑)

それでも、
「連結会計という考え方そのものが完全な初見ではない」
というだけでも、心理的にはかなり楽です。

昔より大変になった。でも、その分だけ得るものもある

昔の簿記2級には、連結会計がありませんでした。

今の受験生は、それも勉強しなければなりません。

そう考えると、
「今の2級、大変じゃない?」
と思ってしまいます。

実際、私自身もかなり苦戦しました。

ただ、今になってみると、その分だけ早い段階で高度な会計の考え方に触れられたとも思っています。

以前、仕事で子会社から製品を購入する話が出たとき、
「これ、アップストリームじゃん」
とふと思ったことがありました。

簿記2級で連結会計を勉強していなければ、たぶんそんな見方はしていなかったと思います。
試験範囲が広がったことは、受験生にとって単純にうれしい話ではありません。

でも、そこで学んだ内容が、あとから仕事や次の学習につながることもあります。

連結会計に苦しんでいた頃の自分に、
「それ、昔は2級にはなかったらしいよ」
とは言わなくていいかなと思います。

たぶん余計なことを考えず、そのまま問題を解き続けた方がいい。

そして合格したあとで、
「実は結構難しいことをやっていたんだな」
と知るくらいが、私にはちょうどよかった気がします。

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