日商簿記2級に合格するまで|仕事と両立した学習記録

簿記

私の簿記学習は、日商簿記3級のテキストから始まったわけではありません。
最初に簿記と向き合ったのは、中小企業診断士の勉強をしていたときでした。

中小企業診断士の一次試験には「財務・会計」という科目があります。扱う内容は、簿記検定でいえば、おおむね2級に近いレベルです。

当時の私は、簿記の基礎をほとんど理解していない状態で、いきなり財務・会計の問題に取り組んでいました。

今になって考えると、かなり無理のある進め方だったと思います。

B/Sの考え方が、どうしても腑に落ちなかった

特に苦戦したのが、貸借対照表、いわゆるB/Sです。
資産、負債、純資産という言葉の意味は、一応理解できます。

しかし、問題を解こうとすると、
「なぜこの取引がここに入るのか」
「利益が出ると、なぜ純資産が増えるのか」
「損益計算書と貸借対照表は、どうつながっているのか」
といった部分が、どうもしっくりきませんでした。

問題演習を繰り返しても、分かったような、分からないような状態です。
解説を読んだ直後は理解できた気がするのですが、少し形を変えた問題になると手が止まります。
【関連】簿記の考え方に苦労したあの頃

結局、財務・会計への苦手意識が大きくなり、中小企業診断士の受験自体もやめてしまいました。

もちろん、理由は財務・会計だけではありません。ただ、この科目でつまずいたことが、撤退を考える大きなきっかけになったのは確かです。

背伸びせず、簿記3級からやり直した

その後、やはり基礎の基礎から学ぶことが大切だと考え、日商簿記3級の内容へ戻ることにしました。

最初からこうしておけばよかったと思います。
簿記3級では、まず取引を仕訳に置き換える練習から始めました。

借方と貸方という独特の考え方には少し戸惑いましたが、仕訳の基本については、2週間ほどである程度つかめました。

現金が増えた。
商品を仕入れた。
売上が発生した。
代金を後で受け取ることになった。

こうした取引を一つずつ仕訳に変換していくと、以前は理解できなかった会計の流れが、少しずつ見えるようになりました。

中小企業診断士の財務・会計で苦戦していた頃は、完成した財務諸表だけを見て理解しようとしていました。

しかし、仕訳から順番に積み上げていくと、B/SやP/Lが突然現れるわけではないことが分かります。
日々の取引を記録し、それを集計した結果として財務諸表が作られる。

当たり前のことですが、この流れを体感できたことが大きかったです。

簿記3級の難所はB/SとP/Lの作成だった

簿記3級の内容で難しいと感じたのは、やはりB/SとP/Lの作成でした。

仕訳単体なら解けても、それらを集計して試算表を作り、最終的に財務諸表へまとめるとなると、話が少し変わります。

数字の転記先を間違える。
借方と貸方の合計が合わない。
損益振替や繰越処理で混乱する。
最初は何度も数字が合わなくなりました。

ただ、これについては、理解力よりも慣れの影響が大きかったと思います。

同じ形式の問題を何度か解くうちに、
「この数字はここへ移す」
「この勘定は最終的にB/Sへ残る」
「収益と費用はP/Lへ集める」
という流れが少しずつ身につきました。

簿記3級の試験を受けることも考えましたが、当時の私が欲しかったのは2級でした。
(3級の受験はどうしてもモチベが上がらなかった。)

3級の内容を1か月ほど学んだところで、そのまま2級へ進むことにしました。

簿記2級では、商業簿記より工業簿記に戸惑った

簿記2級の商業簿記では、3級で身につけた仕訳の考え方が土台になりました。

扱う取引は複雑になりますが、基本的には、
「何が増えたのか」
「何が減ったのか」
「どの勘定科目を使うのか」
を考える点では同じです。

商業簿記の仕訳については、何とかついていくことができました。

一方で、個人的に難しかったのが、連結会計と工業簿記です。
連結会計については、別の記事で詳しく書いています。
【関連】連結会計ってむずくない?

最初は最難関に感じましたが、出題パターンを整理することで、最終的には得点源にできました。
意外だったのは、製造業で働いている私が、工業簿記にもかなり苦戦したことです。

工業簿記は、個別の計算より全体の関係が分かりにくかった

簿記3級では、工業簿記を扱いません。
そのため、2級へ進んだ途端に、これまでとは違う世界が現れたように感じました。

工業簿記の内容は、説明を聞けば理解できます。
材料費、労務費、経費を集計して製造原価を求める。
製造途中のものは仕掛品として扱う。
完成したものは製品へ振り替える。

一つひとつの説明だけを見れば、それほど難解ではありません。

しかし、

  • 個別原価計算
  • 総合原価計算
  • 全部原価計算
  • 直接原価計算
  • 標準原価計算

といった計算方法が次々に登場すると、それぞれの関係性が分からなくなりました。

どの方法が、どのような製造現場を想定しているのか。
何のために計算方法を使い分けるのか。
どの原価を製品に含め、どの原価を期間費用として扱うのか。

この全体像をつかめないまま問題演習へ進んでも、解き方を丸暗記するだけになってしまいます。

工業簿記では、問題を大量に解く前に、それぞれの原価計算の位置づけと関係性を整理することが大切でした。

今後、この関係性については、別の記事でもまとめたいと思っています。
【関連】製造業技術者が工業簿記を学ぶ意味

関係性をつかんだ後は、ひたすら問題を解いた

商業簿記も工業簿記も、理論を読んだだけでは解けるようになりません。
全体像をある程度理解した後は、ひたすら問題演習を続けました。

仕事のある平日も、短い時間でよいので、できるだけ毎日問題に触れました。
疲れている日は、まとまった総合問題ではなく、仕訳や短い計算問題だけにすることもありました。
休日は、まとまった時間を使って総合問題を解きました。

一度解いた問題も、それで終わりにはしません。
間違えた問題はもちろん、偶然正解しただけの問題も含めて、少なくとも3周は解きました。

1周目は、解き方を理解するため。
2周目は、自分で再現できるか確認するため。
3周目は、時間を意識しながら正確に解くため。

同じ問題を繰り返すことに意味があるのかと感じる人もいるかもしれません。
しかし、簿記では、解き方の型を身につけることが重要です。

問題文を読んだときに、
「これはこの表を作る問題だ」
「まず、この数字を計算する」
「ここで振替処理が必要になる」
と判断できるようになるまで、繰り返しました。

簿記2級には約3か月を使った

簿記2級の学習期間は、理論の理解に1か月弱、問題演習に約2か月でした。

その前に簿記3級相当の学習を1か月ほど行っているため、基礎から数えると全体で約4か月です。
ただし、この期間は簿記だけを勉強していたわけではありません。

平日は普通に仕事をしていました。
仕事をおろそかにして資格を取っても、本末転倒です。

そのため、

  • 平日は短時間でも問題に触れる
  • 休日に総合問題を解く
  • 疲れている日は無理に長時間やらない
  • 完全に勉強をやめる日を増やさない

という進め方を意識しました。

毎日何時間も勉強できたわけではありません。
それでも、短時間の学習を積み重ねれば、数か月後にはかなりの問題量になります。

社会人の資格学習では、一日の勉強時間よりも、勉強から長期間離れないことの方が大切だと感じました。

CBT方式なので、仕上がったタイミングで受験した

日商簿記2級は、統一試験だけでなく、テストセンターで受けるCBT方式もあります。

私はCBT方式を選びました。

試験日があらかじめ固定されているのではなく、自分の学習状況に合わせて受験日を決められる点が、社会人には便利でした。

問題演習を繰り返し、
「完璧ではないけれど、そろそろ受けてもよいだろう」
と思える頃合いで申し込みました。

受験当日は、あいにくの雨でした。

試験会場へ向かいながら、
「ここまで勉強したのだから、何とか結果を出したい」
と思っていたのを覚えています。

画面に「合格」と表示され、、、

CBT試験では、試験終了後すぐに採点が行われます。
最後の問題を終えて試験を終了すると、間を置かずに結果が画面へ表示されました。

そこにあったのは「合格」の二文字です。
思わず会場で軽くガッツポーズしました。

派手に喜ぶわけにはいきませんでしたが、内心ではかなり嬉しかったです。
中小企業診断士の財務・会計でつまずき、一度は会計の勉強から離れました。

そこから簿記3級の基礎へ戻り、2級の問題を何度も解き直して、ようやくたどり着いた合格でした。

単に資格を一つ増やしたというより、
「基礎からやり直せば、苦手だった分野でも乗り越えられる」
と確認できたことが大きかったです。

この経験は、その後に別の資格へ挑戦するモチベーションにもつながりました。

背伸びするより、基礎へ戻った方が早かった

私が簿記2級の学習を通じて最も強く感じたのは、基礎を飛ばさないことの大切さです。

中小企業診断士の財務・会計へいきなり挑んでいた頃は、分からないことを問題演習の量だけで解決しようとしていました。

しかし、土台がない状態で応用問題を繰り返しても、理解はなかなか深まりません。
一度簿記3級へ戻り、仕訳から学び直したことで、以前は曖昧だったB/SやP/Lの意味が見えるようになりました。

また、簿記2級では、理論を読んで満足せず、同じ問題を少なくとも3周しました。

  • 基礎に戻る
  • 全体の関係性を整理する
  • 繰り返し問題を解く
  • 仕事を優先しながら、学習を途切れさせない

特別な方法を使ったわけではありません。

それでも、この積み重ねによって、日商簿記2級に合格できました。
一度つまずいた分野でも、順番を変えて学び直せば、理解できることがあります。

私にとって簿記2級の合格は、そのことを実感できた経験でした。

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