簿記試験の相棒は、1,000円の電卓だった

簿記

簿記試験を受けるとき、欠かせない道具といえば電卓です。

私が使っていたのは、文房具店で購入した1,000円程度の電卓です。
特別に高機能なものではありません。

それでも、簿記2級の学習から本試験まで使い続けたことで、いつの間にか試験勉強の相棒のような存在になっていました。

普段はExcelばかりだったので、電卓が新鮮だった

私は普段の業務で計算するとき、ほとんどExcelを使っています。
(というより多くの人がそうだと思います。。)

数値を入力すれば計算式が残り、間違えた箇所も後から確認できます。
入力した数字を修正することも簡単です。

一方、電卓では計算の途中経過がほとんど残りません。

数字を一つ押し間違えただけで、最初から入力し直さなければならないこともあります。
Excelを使うことに慣れていた私にとって、この感覚は少し新鮮でした。

同時に、
「いま、数字を押し間違えなかっただろうか」
という不安もありました。

計算結果が想定と合わないと、簿記の考え方を間違えたのか、それとも電卓の入力を間違えたのか、すぐには判断できません。

問題の解き方は合っていたのに、最後の電卓入力だけで不正解になる。

これは簿記試験の怖いところです。

電卓を使い慣れることも試験対策だった

簿記試験では、正確に計算するだけでなく、限られた時間の中で問題を解く必要があります。

特に簿記2級では、一つの問題に時間をかけすぎると、ほかの問題を解く時間がなくなります。
そのため、電卓を速く、正確に操作することも試験対策の一部でした。

とはいえ、私は電卓の早打ちを本格的に練習したわけではありません。
日頃の問題演習で、同じ電卓を使い続けただけです。

毎日使っているうちに、

  • 数字キーの位置
  • 「+」「-」「×」「÷」の位置
  • 「=」やクリアキーの位置
  • キーを押したときの感触

に少しずつ慣れていきました。

最初はキーを目で確認しながら入力していましたが、繰り返し使ううちに、指が自然に動く場面も増えていきます。

派手な勉強法ではありません。
それでも、本番で普段と同じ感覚で電卓を操作できることは、意外と大切でした。

一回の押し間違いが怖かった

Excelであれば、入力した数字や計算式を画面上で確認できます。
しかし、一般的な電卓では入力履歴を一覧で確認できません。

途中で数字を一つ押し間違えても、そのまま計算を続ければ、最後にはもっともらしい数字が表示されます。

明らかにおかしな答えであれば気づけます。
ところが、少しだけ違う数字が出た場合には、入力ミスだと気づかないこともあります。

簿記の問題では、途中で計算した数字を、さらに別の計算へ使うことがあります。
最初の入力を間違えると、その後の数字も連鎖的にずれていきます。

だからこそ私は、問題演習の段階から、
「速く押すことより、まず正確に押すこと」
を意識していました。

急いで一度間違え、最初から計算し直すよりも、少しゆっくりでも一度で正しい数字を出した方が、結果的には早くなります。

正確性とスピードの両方が必要ですが、土台にあるのは正確性だと思います。

使い続けるうちに愛着が湧いてきた

購入したときは、単なる試験用の道具でした。

値段も1,000円程度で、特別な思い入れがあったわけではありません。

それでも、毎日のように問題を解き、そのたびに同じ電卓を使っていると、だんだん愛着が湧いてきます。

工業簿記のボックス図を書きながら計算したとき。
標準原価計算の差異を何度も計算し直したとき。
CVP分析で損益分岐点を求めたとき。
連結会計の数字が合わず、どこで間違えたのかを探したとき。
簿記2級の学習中に苦戦した場面には、いつも同じ電卓がありました。

もちろん、電卓が勉強を教えてくれるわけではありません。
押した数字を、指示どおり計算してくれるだけです。

それでも、何度も一緒に問題を解いてきた道具には、不思議と相棒のような感覚が生まれます。

本試験にも、いつもの電卓を持っていった

簿記2級の本試験にも、普段の学習で使っていた電卓を持っていきました。

本番だけ新しい電卓を使うと、キーの配置や押した感触が変わります。
機種によっては、ゼロキーやクリアキーの位置も異なります。

わずかな違いでも、緊張している試験中には操作ミスの原因になりかねません。
そのため、本番でも普段と同じ電卓を使えたことには安心感がありました。

試験会場では、問題を読み、計算用紙へ途中式を書き、電卓を操作します。

画面に表示された数字を確認しながら、
「いつもどおり押せばよい」
と思えたことは、小さなことですが心強く感じました。

簿記試験では、知識や計算力だけでなく、いつもの道具をいつもどおり使えることも大切なのだと思います。

試験が終わると、使う機会は減った

簿記2級の試験が終わってから、電卓を使う機会はかなり減りました。

仕事で計算するときは、相変わらずExcelを使っています。
日常生活でも、簡単な計算ならスマートフォンで済ませられます。

毎日のように机の上に置いていた電卓は、現在、引き出しの中で保管しています。
簿記を勉強していた頃のように、毎日キーをたたくことはありません。

少し寂しい気もしますが、役目を終えた道具として捨てようとは思いませんでした。
簿記2級に合格するまで使い続けた電卓だからです。

簿記1級へ挑戦するとき、また使い倒したい

今後、私は簿記1級にも挑戦したいと考えています。

簿記1級では、2級よりもさらに複雑な計算が必要になるでしょう。
再び本格的に学習を始めれば、引き出しにしまっている電卓を取り出すことになります。

しばらく使っていないため、最初は以前のように指が動かないかもしれません。
それでも、簿記2級を一緒に乗り越えた電卓を、今度は1級の学習で使い倒したいと思っています。

高価な電卓ではありません。
特別な機能があるわけでもありません。

ただ、簿記の勉強を始めた頃から本試験まで、ずっと使い続けてきた一台です。

試験勉強では、テキストや問題集だけでなく、毎日使う道具にも少しずつ思い出が積み重なります。
私にとってその一つが、文房具店で買った1,000円程度の電卓でした。

次に引き出しから取り出すときは、簿記1級への挑戦を始めるときかもしれません。

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