FP2級は生活に役立つ?取得して感じた価値と、できるようにならなかったこと

FP

FP2級を取得すると、お金に強くなり、資産運用や家計管理が得意になる。

そのような期待を持つ人もいるかもしれません。
しかし、実際にFP2級を取得した私の感覚は、もう少し控えめです。

正直に言えば、FP2級に合格しただけで、資産運用の能力が爆発的に身につくことはありませんでした。

株式や投資信託について学んでも、将来値上がりする商品を見抜けるわけではありません。他人の家計や資産運用について、知識だけで適切な助言をするのも難しいと思います。

それでも、FPを学ぶ前と比べて、社会保険、税金、保険、不動産、相続などへの抵抗感は明らかに小さくなりました。

制度の細部を忘れていても、

この話はFPで勉強した分野だ
ここを調べれば全体像が分かりそうだ

と見当をつけられるようになったのです。

FP2級の価値は、すぐにお金の専門家になることではなく、生活に関わる制度を何も分からないまま受け流さなくなることにあるのかもしれません。

FP2級だけで資産運用が得意になるわけではない

FPでは、預貯金、債券、株式、投資信託、外貨建て商品などを学びます。

利回りやリスク、株式指標、債券価格と金利の関係、投資信託の仕組み、金融商品の税金など、資産運用の基礎知識は身につきました。

以前なら読み飛ばしていた金融ニュースにも、立ち止まる言葉が増えています。
ただし、商品の仕組みを知ることと、実際に資産運用で成果を出すことは別です。

現実の運用では、金利、物価、企業業績、市場心理など、答えの決まっていない要素を考えなければなりません。

自分の年齢、収入、家族構成、投資期間、損失への耐性によっても、適切な選択は変わります。
FP2級で得られるのは、あくまで判断するための土台です。

資格を取得しただけで、自分や他人に最適な金融商品を選べるようになるわけではありません。

他人へのアドバイスには、試験知識以上のものが必要

自分のために制度を調べることと、他人の相談に答えることには大きな違いがあります。

たとえば保険を見直す場合でも、必要な保障は人によって異なります。
年齢、家族構成、収入、支出、貯蓄、住宅ローン、勤務先の福利厚生、将来の働き方。

こうした情報を確認しなければ、その人に必要な保障は判断できません。

資産運用も同じです。
何年後にお金を使うのか、どの程度の損失を受け入れられるのかまで考える必要があります。

試験問題で正解を選べることと、現実の相談者に責任を持って対応することは別です。
この距離に気づけたことも、FPを学んだ成果の一つでした。

同僚との会話で、高額療養費制度の話が出た

一方、FPの知識が日常生活で役立ったと感じる出来事もありました。
先日、職場の同僚と話していたとき、高額療養費制度が話題になりました。

同僚は医療機関で初めて制度について説明を受けたそうです。

それまで知らなかった制度だったため、
「どのような場合に利用できるのか」
「自分はいくらまで負担するのか」
「どのような手続きが必要なのか」
を理解するのに手こずったと話していました。

自分や家族の治療に関係する場面で、突然知らない制度を説明されれば、戸惑うのも無理はありません。

一方、私はFPの学習で高額療養費制度に触れていました。

細かな自己負担限度額をすべて覚えているわけではありません。それでも、

医療費の自己負担には一定の上限がある
年齢や所得などによって上限が異なる
条件によっては世帯で合算できる

という制度の大枠は知っています。

そのため、同僚の話を聞いたときも、制度の趣旨自体はすぐに理解できました。

制度の存在を知っているだけでも意味がある

高額療養費制度は、FP2級になって初めて登場する高度な内容ではなく、FP3級でも学ぶ社会保険分野の基本的な制度です。

試験勉強中は、限度額の計算や適用条件を覚えることに意識が向きます。
しかし、現実の生活では、制度の存在を知っていること自体に意味があります。

知らなければ、医療費が高額になったときに、

何か利用できる制度があるのではないか

という発想が出てきません。

一度でも学んでいれば、細かな数字を忘れていても、

高額療養費制度を確認すればよい

と見当をつけられます。

この差は、思っていたより大きいと感じました。

詳細を忘れても、調べる方向が分かる

FPでは、非常に多くの制度や数字を学びます。

社会保険、公的年金、生命保険、所得控除、不動産に関する税金、相続税や贈与税、金融商品の課税方法。

合格した直後は覚えていても、日常的に使わなければ少しずつ忘れていきます。
私も、すべての制度について条件や金額を正確に説明できるわけではありません。

それでも、以前とは違います。

社会保険の話であれば、
「健康保険の給付に関係するのか」
「会社員と自営業者で扱いが違うのか」
「所得や年齢による条件があるのか」
と考えられます。

税金なら、
「所得控除か、税額控除か」
「確定申告が必要なのか」
という確認の方向が思い浮かびます。

不動産なら、取得時、保有時、売却時のどこで発生する税金なのかを整理できます。

正解を即答できなくても、何を調べればよいか分かる。
これだけでも、生活上かなりのアドバンテージだと思います。

「分からないから見ない」状態ではなくなった

FPを学ぶ前は、社会保険や税金に関する書類を見ても、難しい制度の話として距離を置いていました。
勤務先や行政機関が計算してくれるなら、それでよいと思っていた面もあります。

しかし現在は、自分がどの制度に加入し、どのような負担をし、どのような給付を受けられる可能性があるのかを意識するようになりました。

源泉徴収票についても、以前は額面年収くらいしか見ていませんでした。
今は、社会保険料、生命保険料控除、扶養に関する情報、源泉徴収税額などにも目が向きます。

完全に理解しているわけではありません。

それでも、

分からないから見ない

という状態から、

分からなくても、確認すればある程度理解できる

という状態へ変わりました。

FP2級の価値は「気づく力」と「調べる力」

生活に関する制度は、普段は意識しないものが多くあります。

病気になったとき。
住宅を購入するとき。
家族を扶養するとき。
保険金を受け取るとき。
財産を相続するとき。

こうした出来事が起きて初めて、制度を調べる人も多いと思います。

FPを学んでいると、
「利用できる給付や控除があるのではないか」
「通常とは違う手続きが必要なのではないか」
「この説明だけで判断してよいのだろうか」
と立ち止まれるようになります。

専門家の代わりにはなれません。

ただ、専門家に何を質問すればよいかが分かります。言われたことをそのまま受け入れず、自分でも確認する姿勢を持てます。

FP2級の生活上の価値は、この気づく力と調べる力にあるのだと思います。

主体的な資産運用には、まだ知識が足りない

高額療養費制度のように、すでにある制度を理解する場面では、FPの基礎知識が役立ちます。
一方、自分で資産をどう運用するか決める場面では、FP2級だけでは十分ではないと感じています。

資産運用には唯一の正解がありません。

商品の仕組みだけでなく、経済環境、税制、手数料、家計、投資期間、リスク許容度などを総合的に考える必要があります。

さらに、自分のお金を実際に投じ、市場が下落したときも判断を続けなければなりません。
試験問題で知識を確認することと、現実のお金を動かすことの間には大きな距離があります。

FP2級は入口として役立ちます。

ただし、資格を取得しただけで「お金に詳しくなった」と思い込むのは危険です。

むしろ学んだからこそ、自分に不足している知識も見えるようになりました。

FP2級の価値は、人生を一変させることではない

FP2級に合格しても、資産が急に増えるわけではありません。
仕事がすぐに変わるわけでも、他人へ完璧な助言ができるようになるわけでもありません。

一方で、生活の中で出会う制度に対して、

自分には関係のない難しい話だ

と距離を置かなくなります。

医療費が高額になったとき。
源泉徴収票を受け取ったとき。
保険へ加入するとき。
住宅を購入するとき。
資産運用や相続を考えるとき。

こうした場面で、

FPで学んだ制度に関係しそうだ

と気づき、必要な情報を調べられるようになります。

FP2級を取得して感じた一番の価値は、専門家になれたことではありません。
生活とお金に関する話を、何も分からないまま他人任せにしなくなったことです。

派手な効果ではありません。

それでも、生活の中で避けられないお金の問題に、以前より落ち着いて向き合えるようになりました。
これが、私がFP2級を取得して実感した、現実的な価値です。

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