宅建の勉強は、テキストの順番どおり民法から始めました。
そして先日、ようやく民法の一周目を終えました。
まだ問題演習を本格化する前の段階なので、民法を攻略できたとはとても言えません。それでも、法律初学者として最初に感じた難しさや、民法から始めてよかった点は少しずつ見えてきました。
率直に言えば、民法は最初からすんなり頭に入る分野ではありませんでした。
ただ、一番重そうな分野を最初に一周できたことで、今は少し気持ちが楽になっています。
法律の文章は、日常の言葉より頭に入りにくい
民法を学び始めて最初に感じたのは、法律の文章はやはり抽象的だということです。
一つひとつの言葉は日本語なのですが、普段の会話と同じ感覚で読んでも、なかなか内容が頭に残りません。
文章を読んで、
「なるほど、そういうことか」
と思っても、少し先へ進むと前の内容が曖昧になっていることもありました。
テキストを読むこと自体はできます。
ただし、書かれている状況を理解し、自分の中で整理するまでには少し時間がかかります。
特に民法では、本人と相手方だけで話が終わらず、そこへ第三者が登場する問題が多くあります。
登場人物が増えると、
- 誰が誰に意思表示をしたのか
- 誰が権利を取得したのか
- 第三者は事情を知っていたのか
- その第三者に落ち度があったのか
といった関係を整理しなければなりません。
文章を目で追うだけでは分かりにくいため、頭の中で人物関係を組み立てながら読む必要がありました。
第三者の状態によって結論が変わる
民法を学んでいて特に注意が必要だと感じたのが、第三者の扱いです。
同じような事例でも、その第三者が善意なのか悪意なのかによって結論が変わります。
さらに、
- 善意で過失がある
- 善意で無過失である
- 悪意である
といった違いまで出てきます。
「知らなかったのか」
「知らなかったとしても、注意すれば分かったのか」
という条件によって、保護されるかどうかが変わるわけです。
法律を学ぶ前は、第三者についてここまで細かく状態を分けて考える機会はありませんでした。
しかし民法では、この違いを曖昧にすると答えを間違えてしまいます。
用語を覚えるだけでなく、その人物がどのような立場にいるのかを丁寧に確認しなければならないと感じました。
日常ではあまり聞かない言葉が次々に出てくる
民法には、普段の生活ではあまり使わない言葉が数多く登場します。
善意、悪意、過失、無過失。
心裡留保。
虚偽表示。
錯誤。
詐欺や強迫。
これらは日常語と同じ漢字が使われていても、法律上は独自の意味を持っています。
たとえば「善意」と聞くと、一般には親切心やよい行いを想像します。
しかし法律では、ある事情を知らないことを「善意」と表現します。
反対に「悪意」も、性格が悪いという意味ではなく、その事情を知っているという意味です。
この日常語との違いには、最初かなり戸惑いました。
また、自分では本気でないのに意思表示をする場面を扱う「心裡留保」という言葉も出てきます。
冗談めいた発言が例として扱われることもありますが、日常会話で「それは心裡留保ですね」と言うことはまずありません。
普段なら何となく処理している人の言動を、法律では細かく分類し、それぞれの効果を考える。
その独特さが、民法の難しさでもあり、面白さでもあると感じました。
民法から始めたので、最初の進みは遅かった
私はテキストの構成に沿って、民法から宅建の勉強を始めました。
ただ、法律の文章に慣れていないこともあり、一周目は思ったより時間がかかりました。
内容を完全に理解してから進もうとすると、なかなか先へ進めません。
そこで途中からは、
一周目は全体像をつかめればよい
と考えるようにしました。
すべての例外や細かな条件を一度で覚えるのではなく、
「このような制度がある」
「この条件によって結論が変わる」
という大枠を理解したら、いったん次へ進みます。
分からない部分は、問題演習で再び出会ったときに確認するつもりです。
一周目の段階で民法を完成させるのではなく、今後何度も戻りながら理解を深めていく必要があると思っています。
一番重そうな分野を先に終えた安心感
民法から始めたことで、最初の学習は決して楽ではありませんでした。
それでも今は、民法を先に一周してよかったとも感じています。
宅建の学習分野の中でも、民法を中心とする権利関係は、私にとって最も重く感じる分野でした。
文章が抽象的で、登場人物も増えやすく、条件によって結論も変わります。
その分野を最初に一度通過できたことで、
とりあえず一番大変そうなところは一周できた
という安心感が生まれました。
もちろん、知識が定着したわけではありません。
問題を解けば、普通に間違えると思います。
それでも、まったく知らない状態と、一度でも全体を見た状態では、心理的な負担がかなり違います。
残っている分野も簡単だとは思っていませんが、民法を終えたことで、学習全体の先が少し見えた気がしています。
FP2級の知識があることも安心材料になっている
私はすでにFP2級を取得しています。
そのため、宅建で扱う税金や不動産周辺の一部については、完全な初見ではありません。
もちろん、FPと宅建では問われ方も学ぶ深さも異なります。
FPで知っているから、そのまま宅建の問題が解けるとは考えていません。
それでも、
「この税金は以前に学んだことがある」
「この不動産制度は名前だけでも知っている」
という状態から始められるのは、精神的にかなり楽です。
民法は初めて見る考え方が多く、テキストを読むだけでも時間がかかりました。
一方で、今後出てくる分野の一部には、FPで学んだ基礎知識があります。
そのことも、民法を一周した現在の安心感につながっているのだと思います。
民法を最初に学んだのは正解だったのか
現時点では、民法から始めたことが絶対に正解だったとはまだ言えません。
宅建業法など、比較的得点につなげやすいとされる分野から始めた方が、序盤の学習は進みやすかった可能性もあります。
ただ、私の場合はテキストの順番に沿って、最初に一番重く感じる分野を終えました。
その結果、
- 法律の文章に少し慣れた
- 善意・悪意などの法律用語を知った
- 第三者を含む人物関係に注意するようになった
- 残りの学習範囲に進む心理的な余裕が生まれた
という変化がありました。
最初の進みは遅かったものの、後回しにしていたら、民法がずっと重荷として残っていたかもしれません。
そう考えると、私には民法から始める順番が合っていたのだと思います。
早く全分野を一周して、問題演習へ進みたい
民法の一周目を終えましたが、宅建の学習はまだ入口です。
講義やテキストを読んで分かったつもりになっても、実際に問題を解けるとは限りません。
むしろ、これから問題演習を始めて、理解が曖昧だった部分が次々に見つかると思います。
今はまず、残りの分野も一周して、宅建試験全体の地図を完成させたいです。
その後は、怒涛の問題演習へ進みます。
間違えたところを確認し、テキストへ戻り、もう一度解く。
民法についても、これからの反復で少しずつ定着させていくつもりです。
法律初学者にとって、民法は確かに頭へ入りにくい分野でした。
それでも、最初に一番重く感じる分野を一周したことで、学習全体に対する気持ちは少し楽になっています。
まだ理解したとは言えません。
ただ、ようやく宅建学習の最初の壁を一つ越えられた気がしています。


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